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うつ病の症状と治療過程

うつ病の症状と治療過程

うつ病の改善過程には何段階かのステップがあります。下の図は、横軸に時間、縦軸に症状の段階を示しています。まずイライラ感や不安感が取れ始め、ゆううつ感や何をするにも手が付かない状態、根気がなく興味がないなどの症状が順を追って改善されてきます。患者さんによって個人差はありますが、およそ3ヶ月程度で気持ちが安定し、喜びや生きがいを感じられるようになり、症状が軽減してきます。ただし、「おっくう感」はなかなかとれずに半年以上たっても改善しない場合が多いといわれています。

うつ病の治癒過程 笠原嘉:精神科治療学2002:17(増刊):79-84より改変

急性期治療(服用初期〜12週間)

治療は、うつ病の初期治療である「急性期治療」で、症状がほぼなくなったが、まだ完全には社会復帰できない「寛解」の状態にもっていきます。急性期治療においては、症状はよくなったり悪くなったりを繰り返しながら改善していきます。日々の症状の波に一喜一憂せず、根気強く治療を継続することが大切です。また、急性期治療により症状が完全に消失する直前や、あるいは寛解後すぐに症状がぶり返すことがあります。この状態を「再燃」と呼びます。急性期治療の目安は、一般的に3ヶ月くらいといわれていますが、患者さん個々の状態によりさまざまで、半年以上かかる場合もあります。

持続療法(3〜6ヶ月以上)

寛解したとはいえ、すぐに社会復帰が可能なわけではありません。再燃を起こしやすい状態であることは変わりないため、治療の継続が必要です。これを「持続療法」といい、寛解後さらに3〜4ヶ月くらい治療を継続して再燃を防止します。持続療法を経て、再燃が起こらない状態となった時点で、復職などの社会復帰を徐々に果たしていきます。うつ病を発症する前の状態に戻ることを「回復」といいます。しかしながら、「再燃」と同様に、回復後でもうつ病を再び発症することがあります。これを「再発」といいます。うつ病は、再燃・再発が非常に多く、それらを繰り返す患者さんが少なくありません。このため、再発を予防する意味でも、回復を果たした後も治療を継続した方がよいと考えられています。

維持療法(1〜2年)

回復後の治療は「維持療法」とよばれ、おおよそ1〜2年くらい治療を継続します。このように、うつ病の治療は非常に長期に渡るものであり、再燃・再発を起こしやすいため、病気と焦らずうまく付き合っていくことが大切です。このため患者さんの周囲の方(家族や友人、上司・同僚など)の病気に対する理解が必要となります。

維持療法の図 監修 国際医療福祉大学 医療福祉学部 上島国利