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外傷後ストレス障害

外傷後ストレス障害ってどんな病気? Post-Traumatic Stress Disorder:PTSD

「危うく死ぬ、または重傷を負うような出来事の後、思い出したくなくても何度もそのことを思い出してしまう」、こんな状態が1ヶ月以上も続いてはいませんか?

外傷後ストレス障害は、生命に関わるような出来事を体験した後、その光景を何度も繰り返し思い出す、悪夢にうなされる、びくびくと不安・緊張の強い状態が続くなど様々な症状がみられる病気です。

こころに傷を受けるような出来事は、毎日の生活の中のあらゆる状況で生じます。しかし、外傷後ストレス障害の原因となる出来事に仕事の失敗や失恋は含まれず、誰であっても強い恐怖や動揺、ショックを感じるのが当然と思われるものに限られます。

外傷後ストレス障害の図

このような症状が1ヶ月以上続くような場合を、外傷後ストレス障害と言います。

 なぜ、強い恐怖を感じる出来事の後に、フラッシュバックや、感情の麻痺、過敏反応などが起きるのでしょうか?

フラッシュバック
強い恐怖体験をしたときに、脳の一部から交感神経を緊張させるような物質が多量に分泌され、記憶作用が高められるために起こるのではないかと仮説されています。失恋や、仕事の失敗などではこのような神経の高ぶりは認められないので、外傷後ストレス障害は、強い恐怖体験によって、脳(こころ)に刻みこまれた傷であると言えます。
麻痺
本人にとって、苦痛な出来事の記憶を意識の奥深くに閉じ込めてしまおうとするために生じる症状です。記憶を閉じ込めてしまうことで、一時的には楽になれますが、そうすることで体験の記憶やそれまで持っていた感情も一緒に閉じ込められ、無感情になってしまいます。
過敏反応
体験のときに生じた強い興奮による交感神経の緊張が、その後もずっと続いているために生じる症状です。興奮状態が事件後も長く続くことによって、いつも気持ちが張り詰めて、些細なことに反応したり、イライラしたり、夜も安心して眠れなくなるという問題をもたらすようになります。
「あの日の記憶が何度もよみがえる。男性が近づくだけで、からだが震える」

〔外傷後ストレス障害の患者さんの例〕

A子さんは仕事からの帰り道に見知らぬ男が近づいてきて、突然ナイフをA子さんの喉もとに突きつけ、A子さんのかばんから財布を奪いとりました。たまたま通りかかった人が大声をあげてくれたので、男はすぐに逃走しました。
しかし、約2週間後に実施された警察の現場検証をきっかけに、事件当時のフラッシュバックと悪夢を繰り返すようになりました。それ以降、症状はさらに悪化していき、男性が近くにいるだけでも体が震え、動悸がするようになりました。

外傷後ストレス障害の治療

外傷後ストレス障害のフラッシュバックなどの主要な症状は、認知行動療法やおくすりの服用によってある程度コントロールできます。外傷後ストレス障害に使用されるおくすりとしては、抗うつ薬の一種でもあるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)や精神安定剤、交感神経系の働きを抑えるおくすりなどが使用されます。